〝近未来のロボットカフェ〟が出現 HCJ2022展

〝近未来のロボットカフェ〟が出現 HCJ2022展

ホスピタリティとフードサービスの商談専門展「HCJ2022」展が2022年2月15〜18日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれました。HCJ展は、国際ホテル・レストラン・ショー(HOTERES JAPAN)▽フード・ケータリングショー(CATEREX JAPAN)▽厨房設備機器展(JAPAN FOOD SERVICE EQUIPMENT SHOW)——の頭文字を取った3展示会の総称です。今回、弊社もメンバーであるNPO法人ロボットビジネス支援機構(RobiZy)が一風変わった展示ブースを設け、弊社も展示に参加しましたのでご報告します。

共有スペースを大きく取って見せ方を工夫

こちらが今回のRobiZyブースです。いくつかロボットがいるのが遠目にもわかります。よーく見ると「RobiZy Cafe」の文字が。そう、つまり会員企業の製品を使って、近未来のロボットカフェを作ってみたというコンセプトなのです。

RobiZyは、ロボットを通じてユーザーのしたいことや社会のしたいことを叶えようという目的で設立され、約270の企業や団体などが参加。ユーザーやメーカー、SIerの橋渡しとしての役割も果たしています。従来は企業ごとにスペースをコマ分けして出展していましたが、今回は共有スペースを大きく取って見せ方を工夫したとのことでした。

バックヤードでの利用も想定

ちなみに弊社は無人搬送フォークリフト(AGF)の紹介動画や、マットレスが立ち上がることでシーツ交換の負担が軽くなるベッドなどを展示。「カフェと何の関係が?」と言われてしまいそうですが、バックヤードで使われることを想定しているということでご理解ください。

「しおりん」がお出迎え

それでは客になったつもりでブースを訪れてみましょう。店頭で迎えてくれるのはリードジェンの次世代アナウンスロボット「しおりん」です。THKと共同で開発され、THKが製造・販売する等身大のヒューマノイドSEED-Noid-Moverをベースにしています。通りかかった来場者にさかんに声を掛けて客寄せをしていました。「しおりんはしおりん」「大人の事情」とのことで詳しい操作法などは教えてもらえなかったのですが、ネット情報などによれば遠隔操作が可能なアバターロボットのようです。

動いて目立つサイネージ

THKは同時に、SEED-Noid-Moverと同様に開発されたSEED Solutionsの一つとして、自律走行型のデジタルサイネージ(電子看板)も展示していました。通常の固定型のサイネージは背景に埋没してしまいがちですが、自ら動けば通行人が立ち止まるなどして注目度が上がるということです。

空中ディスプレイで非接触に

さて「しおりん」の誘導でブースに入ると、受付や注文、支払いを想定したタブレットなどの端末が並んでいます。非接触での操作に対応してMIRAI BARが開発した空中ディスプレイ「MIRAI PIX」です。空中に映像を浮かび上がらせ、センサーを組みあわせることで、機器に触れずに操作することができます。従来のタブレットなどの液晶面に特殊なシートを貼り付け、ホログラムのドットパターンをモニター画面の数センチ手前の空間に映し出すことで、空中のドットパターンに触れて操作する「ホバリングタッチセンス機能」も紹介していました。コロナ禍で非接触での操作のニーズは高まっていますが、空中スクリーンの中には空中の画像に触れた実感が得られず操作しにくいと感じる場合もあります。その際はこの機能でなら操作しやすいとのことでした。

店内スペースでは複数メーカーの配膳ロボットが混在

店内スペースにはテーブルが並び、複数メーカーの配膳ロボットが混在してデモ走行していました。互いにぶつかることなく走り回っていましたが、統一したシステムで制御しているわけではなく、エリアで分けて運転しているようでした。

エレベーターを連動させるアダプターも

ホテル向けのサービスロボットなどを提供しているエイム・テクノロジーズは、ホテルやレストランで使われることを想定したロボットと並んで、既存のエレベーターがサービスロボットと連動できるようにする「EVアダプター」を展示していました。既存のエレベーターの多くはロボットとの通信機能がなく、階をまたいでロボットが動くのは難しいのが現状です。EVアダプターは、エレベーターの昇降路内▽エレベーターかごの上▽エレベーターの操作盤内——に設置する三つのモジュールからなり、ロボットからの情報をネット上のクラウドを通じて受け取れるようにしました。その結果、ロボットからの発信でエレベーターを呼び寄せ、目的の階へ乗り降りすることができるようになります。エレベーターを改造するより費用がかからず、作業も半日程度で済むため、ロボットの利用を手軽に拡大することができるとのことでした。


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【投稿者・お問い合わせ】
新エフエイコム株式会社 ライター 竹花 周
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