あらためて解説!「ロボットSIer」って何?

あらためて解説!「ロボットSIer」って何?

今更ながら本日は私たち「ロボットSIer」と呼ばれる存在について解説します。

ロボットSIerは海外で意味が通じない?

ロボットSIerは「ロボットシステムインテグレーター」の略ですが、SIerは実は和製英語。

「SIer(エスアイヤー)」は、一説には1987年ごろにスーパーコンピューターやパソコンメーカー、ハードウェアメーカー、通信会社である企業がシステムインテグレーション事業を積極的に進めたことをきっかけに、独立系SIerと名乗る業者が台頭するようになったと言われています。そう考えると、意外と歴史は古いのかもしれません。

さて、そのSIerの前にロボットがつくと、主に産業用ロボット導入に関わるシステムインテグレーションを行う業者を指し、それがロボットSIerと呼ばれるようになりました。和製英語のSIerは海外の方に意味が通じませんので、ロボットSIerを表現したい時には「Robot System Integrator」「Robotic System Integrator」と表現した方がよさそうです。

弊社は経済産業省及びJARA(一般社団法人日本ロボット工業会)が作成を行った「『ロボットに命を吹き込む仕事。』ロボットシステムインテグレータとは」の広報動画に出演しています。

ロボットや周辺機器やソフトウェア、オーケストラの指揮者

さて、ロボットを使って自動化を進めたいと思った時に、ただロボットを買えば良いというわけではないのをご存知でしょうか。

特に、製造業を中心とする工場や倉庫での自動化を進めたい時には、産業用ロボットは不可欠です。しかし、産業用ロボットは購入しただけでは使えない「半完結製品」と言われています。

つまり、個別の現場作業に合わせてロボットのプログラムやロボットハンド、周辺装置などを製作し、目的を実現できるようシステムを構築しなければなりません。それらの中に完成度が低いものや協調できないものがあるとユーザー要求を満たすことはできません。

そのため、ロボットSIerには自動化に必要なあらゆる知識が求められます。産業用ロボット及びセンサーやカメラなどの周辺機器はもちろん、機器を制御したり生産や物流を管理する上位のITシステムへの知見、さらには昨今では産業セキュリティやカーボンニュートラルなどの社会全体のトレンドまで、たいへん広範囲に渡る知識が求められます。

つまり、「ロボットを導入したい」というお客様の課題に対し、平面的ではなく立体的に物事を捉え、自動化に必要なものを適切に判断し、最適なシステムを作り上げることが必要です。さながら様々な楽器の特性を熟知しつつ、それらを束ね、人にとって心地よい音楽を作り上げるオーケストラの指揮者のようなものなのです。

ロボットSIerの期待が高まっている

そんなロボットSIerには、これからの社会にもたらす役割への期待が高まっています。経済産業省が進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞かない日は無くなってきましたが、製造業の現場でのDXを実装するのがまさに私たちロボットSIerの仕事です。

また、世界経済・環境の先行き不透明感が増す中で、政府はロボットや新技術による活用を推進し、「society 5.0」と呼ばれる新しい生活様式への転換を提案しています。特に日本では少子高齢化による人口動態の変化が起こることは確実と言われる中で、少ない人手で生産性をいかに上げて経済を活性化していこうとすると、省人化を可能にするロボットを活用し、新たなサービスや製品を生み出すことに大きな期待が高まっています。

ロボットSIerに求められる業務範囲はさまざま

さて、ロボットSIerに求められる業務範囲には様々あります。生産ラインの一部分を自動化したり、特定の業界からの要求を受けてそれに応じた最適化をおこなったり、周辺装置を生産ラインを組み込むことでのインテグレーションを行なったり、といった具合です。生産ライン全体を企画から立ち上げまで一気通貫で対応できるのはラインビルドと表現されています。

生産ラインを自動化する際に複数の装置を異なるSIerが担当している場合、生産物の搬送方法・生産タクト・通信インターフェイスなどの統一が必要となり、それらはユーザーで決定しドキュメントを作成した上で各SIerに仕様説明し確認を取っていく必要があります。

ラインビルダに生産ラインを一括で製作依頼する場合、それらをすべて知見のあるラインビルダが行うのため、特に数年に1回しかこのような新規ラインを作る機会が無いユーザーにとっては最適な仕様を得られるなどのメリットがあると言われています。

工場に必要な全プロセスを一気通貫で担当できるロボットSIer

弊社では代表・飯野が創立メンバーを務める企業コンソーシアム「Team Cross FA」に参画しています。「SIerは個々に異なる得意分野を持っています」それらをうまく組み合わせることで、企画・構想〜生産ライン全体構築、さらには倉庫物流まで、一気通貫で構築できるラインビルダの役割を担うことが可能です。

本メディアでも度々ご紹介しておりますが、福島県・南相馬市に建設した金属加工工場は、「デジタルツインなど最新鋭の技術を駆使し、工場丸ごと自動化したデジタルファクトリー」事例としてのショールームとしても機能しております。

工場・倉庫自動化や新規建設をお考えの際は是非私たちにご相談ください。
その他のお問い合わせも下記フォームより承っております。


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