リアル展示会に参加者の熱気 関西ロボットワールド

リアル展示会に参加者の熱気 関西ロボットワールド

新型コロナウイルスの猛威がなかなかおさまらず、以前は頻繁に開かれていた展示会もオンラインになったり中止になったりするケースが多くなりました。そんな中で久々に関西ロボットワールド2021が開かれ、弊社の社員もセミナーで登壇することになったため、この機会を逃すまじと見に行ってきました。

関西ロボットワールドは、ロボットのメーカーや設計・開発者、ロボットの活用を検討中の企業ユーザーなどが集まる商談展示会。産業用ロボット展とサービスロボット展から成っています。昨年はコロナのために中止され、今年も一度は6月に設定されたのを、緊急事態宣言の発令に伴い延期になった末の開催でした。

8月26、27日の会期のうち、訪れたのは最終日の27日。会場は大阪南港のインテックス大阪です。行ってみてわかったのですが、インテックス大阪はコロナのワクチンの接種会場になっており、最寄り駅からは「会場こちら」の看板を持った人が何人もいました。入り口にたどり着くと各種催し物の表示が出ているのですが……

……おや、「関西ロボットワールド」が見当たりません。

きょろきょろ探すとゲート近くに立て看板がありました。屋外のエスカレーターを利用して3階に上がって入場すると、ややスペースに余裕はあるものの、会場内にいつもの展示会の雰囲気が広がっていました。

「しおりん」と名乗る次世代アナウンスロボットがいたり

近ごろ時折見かけるようになった配送ロボットがあったり

もちろん産業用ロボットがたくさん展示されていたり。事務局によると、コロナの感染拡大が収まらないこともあって、直前になって出展を取りやめた企業もあったということですが、約50社が出展したとのこと。会期中は天候にも恵まれ、2日間で7737人が来場したそうです。前回(2019年)に比べると4割ほど減っているのですが、それでも会場内には訪れた人の熱気が集まり、あちこちのブースで担当者が来場者の質問に答える様子が見られました。

さて、今回の主な目的は、FA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会)による専門セミナー「ニューノーマルの時代におけるロボットシステムの利活用」の聴講です。弊社を含め協会の会員企業など9社が各社の取り組みを紹介するという内容で、弊社は今年6月下旬に完成したグループ会社ロボコム・アンド・エフエイコムの南相馬工場(福島県南相馬市)の取り組みについて発表したのでした。


発表のタイトルは「DXを駆使したデジタルファクトリー南相馬工場の全容」。西日本営業所の角淵弘一が登壇し、約20分と短い時間でしたが、写真なども使いながら南相馬工場での取り組みを紹介しました。具体的には、デジタル空間にまったく同じ工場をシミュレーション用につくりあげ、人工知能(AI)も活用して最適化した見積もりを作れること▽ネットワークのセキュリティに工夫を重ねたこと▽工場全体で脱炭素に取り組んだこと——など、さまざまな技術を使った未来の工場のモデルを作り上げたことを説明。工場の建設にあたっては弊社からもエンジニアが多数参加しており、「全社をあげて新しいことに取り組み、実現させることができた。この成果で日本の製造業を強くしたい」と述べると、来場者が熱心に耳を傾けていました。

※南相馬工場については、このFA.COM labの中でも3回にわたり開所式のレポート(前編中編後編)を掲載しています。


会場内のSIer協会のブースでは、技術力向上のための各種テキストや会報のバックナンバー、会員の情報がひと目でわかるハンドブック、各種チラシなどが並べられていました。PR用に協会が制作したドラマ仕立てのオリジナル動画も大型ディスプレイで再生され、多くの来場者が足を止めていました。

会場内の案内ブースで出展企業の説明役を務めていた担当者は「コロナ禍前に比べると展示会自体の回数も減り、来場者も少なめ。それでもサービスロボットに関してはコロナ禍前に比べると商談に進む確率が格段に上がりました。一方でFA関係の方は、とにかく展示会を開いてほしいとおっしゃる方が多いですね」と話していました。以前のように毎月のように展示会を開くことができる状況に、早くなってほしいものです。


新エフエイコムへようこそ!

特集・連載 SPECIALカテゴリの最新記事