過去記事で「製造の川上から川下まで求められる「カーボンニュートラル」」についてご紹介しました。そんな脱炭素対策にあたっての考え方をもう少し今日はよく掘り下げてみましょう。
木ではなく森を見る
2011年にGHGプロトコルが策定した、温室効果ガスのサプライチェーン排出量の算定・報告のための世界的な基準・ガイドラインの中で、CO2排出量の算定方法・範囲が定められました。それによると、Scope1は「企業による直接排出量」、Scope2は「エネルギー利用に伴う間接排出量」、Scope3は、「その他間接排出量」と区分されています。
ある大手企業が実際にCO2排出量を算出したところ、SCOPE1の直接排出量ではなく、SCOPE2・3の間接排出量の方が圧倒的に多かったという情報も出ています。脱炭素への取り組みは、自社だけでなくサプライチェーン全体で考える必要があります。LCAは製造の川上から川下まで全体を通して脱炭素を考える方法です。
また、国際動向を見てみると、脱炭素社会実現の取り組みを先導する欧米では、欧州委員会(EU)が産業用途を含む電池指令において、2024年7月1日からカーボンフットプリント*の申告の義務化を発表しました。(2020年12月1日)電池はあらゆる場面で使用されているだけでなく、半導体不足の次に不足するもの、という見方さえ出てきています。
* カーボンフットプリント(Carbon Footprint of Products ):商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を CO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです。上記のLCA手法を用いて算出されます。
サーキュラーエコノミー構築は日本のものづくりを強くする
製造の川上から川下までを通して脱炭素を考えるとなると、どの企業も複雑に絡まり合ったサプライチェーンの網目から逃れることはできません。脱炭素実現に関する取り組みは今すぐにでも取り掛からないといけない話題なのです。
そして、忘れてはいけないのは、社会全体の仕組みが変わり、脱炭素が新たな付加価値として流通することは、新たな経済圏を生むチャンスでもあります。つまり、脱炭素に取り組むことは環境負荷軽減による持続可能な社会の構築に協力するだけではありません。
積極的にリユース・リサイクルを促進し、循環型の社会(サーキュラーエコノミー)を構築することにより、結果として日本の輸出競争力を上げることにつながるのです。
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とは言っても、製造業の脱炭素対策は具体的に何から手をつければ良いのでしょうか?特に、ものの動きを止めることのできない製造業の工場や倉庫をお持ちの企業様の中にはそのようにお困りの方もいらっしゃいます。
弊社では、エネルギーマネジメントシステムを関連会社の南相馬工場へ導入した実績があります。また、この工場は金属加工工場として稼働しているだけでなく、実際に見学できる工場兼ショールームとしても大変ご好評いただいています。工場については以前開所式のレポートでもお伝えさせて頂きました。
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